[特集]
家族客に対応する老舗ホテルの改修
〜営業する中での部分的リフォーム〜
〈
客室の大きさの均等化〉
「豪雪」の冠をほしいままにして2005年が過ぎ、雪の合い間の2006年一月某日の氷見灘浦海岸。左手に能登半島、眼前に日本海。冷え込みは厳しいものの、有難い気分になるほどの好天で、水平線が鮮明に見える。
今月は富山県氷見市宇波にある「氷見グランドホテルマイアミ」をご紹介する。ひみ岩井戸温泉としてご存知の方も少なくないだろう。
本館は築数十年が経過し、部分的に改装を進め、すでに四階大部屋は改装がなされている。昨年は、家族等の個人で利用される五階の客室二部屋と四階の一部屋の間仕切りの移動と内装、および外壁塗装が行なわれた。
「家族連れでの客室利用が増えたことに対応して、部屋の大きさを均等化することや客室内風呂の設置という要望でした。利用者の多い年末に備えて八月に着工し、十月末に完成しました」と担当者。
改装工事の過程での問題点や苦労した点を担当者に尋ねた。
「リフォームには付き物の問題点といえますが、建築物の老朽化の程度は解体してみないとはっきりわからないのです。今回も、残せると思っていたところが実際には予想以上に傷みがあって変更を入れることもありました」
〈
あくまでも利用客に配慮しての作業〉
もう一つの問題があった。部分的な改装なので、ホテルとして営業している中での工事である。その面で配慮すべき点があったと言う。
「チェックアウトの十時からチェックインの三時までの、お客さまのいない時間帯に仕事をしなければなりませんでしたから、自分たちのペースで進められないというやりづらさはありましたね」
また、外装工事のために足場を組む必要があるが、それはホテルとしての外観を損なうことになり、非日常的で贅沢なひと時を楽しもうと出かけてくる利用者にとって不快な思いをさせることにもなりかねない。
「そのためには、予約状況と照らしあわせたり、旅行会社やお客様に事前に了承を得るなどして、作業にかかるベスト・タイミングを図る必要がありました」
台風の影響も重なり、八月に着工し十月末に完成とはいうものの、工事自体に要した時間は計二週間程度だったと言う。客の出入りに合わせて細切れに作業していたことが伺える。
〈ベランダを広縁にー広がりを感じる客室
〉
十二畳の客室はベランダ部分が広縁になったことや、一枚ガラスの窓の効果か、思いのほかゆったり感がある。眺望もいい。別館「潮の香亭」の露天風呂も見える。もちろん館内に大浴場はあるが、家族客の利便を考えて今回の改装で、ちいさなユニットバスがしつらえられた。
「0・7坪。ちいさいです。」
いや、これでいい。浴槽に湯をためるにも速いし、と客の立場で思う。
この雪で、年末年始は例年のようには集客できなかったようだが、予約係長は「改装してからは、自信をもってお客様にお勧めできますね。当館専用遊覧船で大敷網を見学できますが、今度新潟からいらっしゃるお客様は、鰤があがるのを見たいとお二人で遊覧船をチャーターなさいました」と、喜色満面で話す。
ホテルマイアミは県内の利用者に加えて、岐阜県、長野県からの来訪客も多いそうだ。冬の時期のお目当てはなんと言っても鰤(ぶり)。
「もう、鰤さえ出しておけば間違いない(笑)」
氷見の寒鰤は、富山県内の一般市民の手に(口に)入りにくいものになった感があったが思い過ごしではなさそうだ。他県の人がいっぱい食べるようになったのかもしれない。
世界三大絶景|3000メートル以上の高峰が海上に眺望できる|の一つが、ここ高岡氷見間の海岸から見える立山連峰である。氷見の魚もご馳走だが、展望大浴場や露天風呂から絶景立山連峰の見える日に氷見グランドホテルマイアミに泊まれるなら幸いである。
新しくなった室内(上下とも)。広くなり、ゆったりとした時間がすごせる。
氷見グランドホテルマイアミの外観。写真中ほどの2部屋のバルコニー部分を室内に改装した。
客室内につくったユニットバス。コンパクトで使いやすさを考えた。
[今月のオーナー訪問]
〈自信をもってお客様をお招きいたします
〉
本館は老朽化も進んできており漸進的に改修しています。いずれ6階も直していく計画です。今回リフォームしたお部屋には今後多くの方に利用していただきたいですし、満足していただける自負もあります。
暖かくなればホタルイカもありますが、まだまだ冬の魚のおいしい季節ですから、いらっしゃってください。6名以上なら、お一人様1万円でのわいわいプランの企画があります。鰤づくし、蟹づくしのコースがありますのでよろしくお願いします。こんなに出してもいいのか、というくらいお料理でサービスしていますよ。(談)
[技のトピックス]
犯罪が多発するいま、
より大きな安心を手に入れるために。
〈侵入犯罪件数は増加の一途〉
「女性が一人でも、夜道を安心して歩ける国」として、良い治安を誇っていた日本。しかし、近年の犯罪の増加は、この評判を大きく揺るがしています。住宅等への侵入犯罪は年々増加し、安らぎの場であるはずの「我が家」ですら安全ではなくなりつつあります。
平成16年に富山県内で発生した住宅及び事務所等への侵入犯罪件数は1,521件です。1日に約4件の犯罪が発生していることになります。これは決して安心できる状況ではありません。防犯意識をさらに高め、自分の安全は自分で守ることが大切です。
■朝方8〜10時が犯行のピーク
家事など忙しい時間帯で、戸締りへの注意が希薄になりがちです。ゴミ出しなどちょっとしたスキも狙われています。また、日が暮れ姿を隠しやすくなる18〜24時もよく狙われる時間帯です。
■インターホンで留守を確認
侵入者は、まず目的の家が留守かどうかを確認します。そのために頻繁に使われる方法は「インターホンで呼んでみる」「人の動きがないか見張る」です。郵便受けに新聞や手紙が溜まっていると留守だと直ぐにわかります。旅行などの際は、新聞をとめましょう。
■窓を破っての侵入が最多
戸建て住宅では、被害例の約7割が窓を破って侵入されるパターンです。普通のガラスであれば、わずか10〜15秒で破損されてしまいます。また、無締まり(カギがかかっていない)による被害も多数あります。ご注意ください。
〈ドロボウは5分前後で諦める〉
侵入に時間がかかればかかるほど、用心深い侵入盗犯は犯行を諦めます。
5分かかると約7割は諦めるといわれます。侵入に時間をかけさせることは一つの防犯対策です。
防犯性能の高い商品には、防犯ガラスがあります。強靭な中間膜(特殊フィルム)が内部に密着されているため、通常のガラスに比べ破壊されにくいのが特徴です。日本の住宅侵入手口に多い「こじ破り※」にも有効です。
※音を出さないようにガラスを破壊し、密かに侵入する方法のこと
※数字は平成16年に富山県内で発生した件数です
■防犯ガラス
[今月の特集は]
株式会社牧田組が担当した氷見市の観光ホテルの改装を紹介しました。
建物の老朽化の程度は、外から見極めることが難しく、リフォームの問題点の多くを占めます。そこで、いかに柔軟に対応し、調整するかがポイントになります。
また、営業しながらの施工は、お客さまへの影響を最小限にすることが求められ、一般のビルとは違う日程管理が発生します。お客さま第一で、満足いただける客室が誕生しました。
pdfデータはこちらからダウンロードできます。
Vol.03
[特集]老舗ホテルの改修
[TOPICS]犯罪が多発する今
Acrobat Readerをダウンロードするには、下のボタンをクリックするか、
フリーCD等からインストールして、ご覧ください。
(ダウンロードには多少の時間がかかりますので、ご了承願います。)