[特集]
おしゃれで明るい新婚住宅にリフォーム
〜農家の納屋を工夫しながら趣のある住まいへ〜
〈
若夫婦の結婚を機に、納屋を住宅へ改装〉
富山県大門町の宮下邸は、敷地内に大きな母屋と納屋や小屋などがある伝統的な農家の住まいである。ご子息が結婚するということで、納屋を若夫婦の住宅にリフォームすることになった。
しかし、納屋は居住空間として造られていないものである。
「普通の納屋は、1階の天井が高くて、2階は立って歩けないくらい低いんですが、こちらは1階、2階とも十分な高さがありました。吹き抜けやロフトにしなくても、有効に使えると判断しました」と、担当者は語る。新築という話もあったが、コスト的にも時間的にもリフォームを選択したという。
「結婚してすぐ入居したかったのと、改装する方が面白い家ができるんじゃないかと思ったんです」と、夫の宮下晋吾さんは言う。
窓を多く取って明るい家に、収納もたっぷり、外観は黄色のイメージで、など、若い二人の夢の住まいを聞きながらプランを作り、5月に着工。挙式は、7月3日の予定だった。
まず、柱や土壁を残して、屋根や外壁を取り壊した。納屋は昔の建物のため、筋交いなどの補強がされていない。それでは、現在の建築基準法に合わないため、土台から梁までの高さの構造用合板を張り巡らせた。
「納屋は、小舞(竹で作った壁の下地)に土を塗ってありました。土壁は、湿気を吸収してくれるし、断熱性もあるので残し、外壁の外側全て合板を張って剛性を持たせました」と担当者。
昔の建築のメリットを取り入れながら、コストを抑えた補強方法である。これで、開口部も多く取ることができる。
〈1階と2階の有効空間を確保する工法
〉
納屋の2階の床は、太い根太を走らせ、そこに厚めの板を敷き詰めてあった。通常、木造住宅の場合、床は床垂木を細かく入れて造るが、それだと垂木の分高くなり、2階のスペースが狭くなる。ここは、天井までの高さを出来るだけ確保したいところである。
「もとの床は取り外し、24ミリ厚の合板を張る根太なし工法で施工し、水平力もこの合板で持たせ、2階の剛性と空間を確保しました」と担当者。
また、納屋には、大屋根の荷重もすべてかかっている柱があった。プランでは、1階のキッチンとダイニングの間に位置したが、動かすわけにはいかない。角材を両方からあてて、24ミリ厚の合板で間をつないだ。上からは、クロスを張ってきれいに仕上げた。
二人の要望に、洗濯物を干すためのサンルームが欲しいというのがあり、納屋の入り口部分の屋根を、光を取り入れるテラス屋根にすることにした。
「既製のアルミサッシを入れるのではなく、ポリカーボネイトと木とトタンで造りました。ここの納まりが難しかったですね」
ひと工夫したテラス屋根は、瓦部分と一体感のある仕上がりとなり、コストも削減できた。
〈
納得のいく打ち合わせと提案〉
宮下さん夫妻は、二人とも仕事を持っており、なかなか打ち合わせの時間が取れなかった。そこで、担当者から提案を見せ、瓦の色、外壁の色など、数回の打ち合わせで決定していった。
「外壁の色は、サンプルを見ていただきましたが、光によっても違うので、慎重に確認していただきました」と担当者。
宮下さんも、「サッシの色は茶色にしようと思ってたんですけど、白を提案してもらって、結果的によかったですね」と満足そうに話す。明るい瓦とともに、南欧風のおしゃれな外観となった。
フローリングや室内ドアなどの内装の色は、赤みのある新色を採用。見えている梁も、それに合わせた色で塗装した。
「長年経っているので、いろんな色がついていますから、濃くはしたくないと思いました」と担当者。この梁が、新築住宅にはない独特の味わいとなっている。
納屋から住宅へのリフォームで、やはりスムーズにいかない部分もあった。古い建物であるため、基礎は無筋なので添えコンクリートを打ち、土間コンクリートが下がっている所はコンクリートを打ち直した。外壁や床などは、木が反り返っていた。
「外壁の木が曲がっていると、仕上げ材が入らないので調整する必要があります。パッキン剤を入れて下地材を出すなど、ゆがみを直すのに思ったより時間がかかりましたね」
2階の床も、大引き(木造床の構造材)自体を上げ下げして調整した。結果としては、新婚旅行から帰ってすぐに入居というわけにいかなかったが、もとが納屋だったとは思えないおしゃれな新居が完成した。
「普通より打ち合わせの時間は少ないと思うんですが、自分たちの要望をうまく形にして、仕上げていただきました」と宮下さん。
二人の夢をかなえた快適で幸せあふれる住まいである。
1階のダイニングには、おしゃれな白いテラス窓。窓の外がテラスになっている(上)。2階は、リビングと寝室。アルミのコーナー引き戸がついている。天井の梁が個性的(下)。
黄色の壁が可愛い外観。南欧風のコーディネイトで、白いサッシが合っている(上)。下は、改装前の納屋の写真。
オリジナルのテラスの屋根。光が差し込んで、ダイニングルームも明るい。
[今月のオーナー訪問]
宮下 晋吾さん、亜弓さん
〈快適としかいいようがないですよ
〉
最初は夢いっぱいで、サンルームは、フルオープンにすれば開放感があるからいいなと思ってお願いしました。それと、光がたくさん入るようにして、収納も多く取ってもらいました。
共働きなので、オール電化にしてもらったのがよかったですね。家事がらくですよ。それと、こだわったのがお風呂。毎日入るので、落ち着いて、ちょっと変わっているものが欲しかったんです。黒基調にしました。
仕事の関係で、二人一緒に打ち合わせするのは、あまりできなかったんですけど、松島工業さんには、言葉少ないぼくの言葉をうまく理解してもらって、りっぱに仕上げていただきました。回数が少ないので、真剣に打ち合わせしてましたね(笑)。
こちらの要望を取り入れつつ、提案やアドバイスをしていただいて、もう快適としかいいようがないですね。(談)
[技のトピックス]
TOTO KITCHEN「キュイジア」9月発売
[今月の特集は]
松島工業株式会社が担当した納屋から住宅へのリフォームを紹介しました。
農機具などの物を収納するために建てられた納屋には、天井高など独特のものがあります。また、古い建築物を現代の建築基準に適合させることも必要です。
今回は、壁や床のゆがみを直すのに苦労があり、コストを抑えつつ、強度や要望を満たしていきました。完成した家は、梁の見える天井などが趣を感じさせ、安らげる空間になりました。
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Vol.06
[特集]納屋を新婚住宅に
[TOPICS]TOTOからCuisia登場
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