[特集]
園児と地域のために広く、明るく、快適に。
〜地域に開かれた保育園として、法規をクリアし
念願の増築〜
〈園児数の増加に対応
〉
富山県高岡市戸出6丁目の戸出住宅団地に、戸出北部保育園が開園したのは昭和53年のことである。約90人の定員でスタートしたが、平成8年頃に7丁目ができ、約二三〇戸の住宅が増加。それにつれて園児も約一二〇人と増えた。特に、未満児と言われる0歳〜2歳児が増え、ゆとりのある乳児室が必要になってきた。
また、職員事務所も狭く、来客時の対応や会合などに使用する部屋がなく、不便だった。そのため、来客用の会議室も求められた。そこで、乳児室と会議室の増築を行うことになり、施工業者は入札によって決定した。
「決まったのは地元の業者さんで、たくさんいい仕事しているのを知っておりましたから、安心してお任せしました」と、園長は語る。
9月に着工する予定だったが、乳児室は園庭に増築するため、運動会の終了を待って10月から施工することにした。
〈施工する前に解決すべき問題点
〉
しかし、施工する前に解決しなければいけない問題のあることがわかった。保育園のある地域が建築当初と用途地域が変わったため、建築基準法の既成も変わり既存不的確になったのである。
「既存の建物の問題を解消しないと、法律上増築はできないんですよ。これには困りましたね」と、担当者。
そこで、審議会の開催、協議という手順を踏んで、ようやく問題を乗り越えた。さらに延べ床面積の増加に伴う消防署への申請も行い、ようやく着工となった。
既存の乳児室は、1階にあり、畳の部屋になっていた。そこに隣接して15坪程度を増築した。既存部分の畳をやめ、全面床暖房の入ったフローリングとし、広くワンフロアで使用できるようにした。これで、子どもたちも保育士も伸び伸びと使えるようになり、清潔感があり、冬でも暖かい部屋となった。
「乳児というのは這う動作が主ですから、床暖房はぜひ入れたいと思いました。出来上がって、子どもたちが広く快適に過ごしている様子を見ると、よかったなあと思います」と、園長。
奥のコーナーには一部畳スペースを設け、昼寝の時などに使用している。また、既存のデッキを活かして増築部分に設置し、自然とふれあえる空間も確保した。
〈現場の意見と提案で使いやすく
〉
会議室は、当初2階に設置する案もあったが、検討の結果、正面玄関横に増築することになった。通常なら、四角い部屋が張り出すような形になるところだが、場所が道路に面した正面玄関横ということもあり、形に工夫をこらした。
「立地条件や保育園ということを考えて、角を取って台形の形にしましょうと提案したんです」と、担当者。「四角い建物を建てるのは簡単だし、角が斜めだと現場が大変なんですけど、景観をよくしようと考えました」
内部は六角形のユニークな形になって、保育園らしいゆとりがある。半円の窓と両開き窓を組み合わせた窓も可愛い印象だ。通常の窓に比べて割高だが、他の部分で予算を抑えるなど工夫をした。出入口も何案か検討したが、元は下足箱のあった場所にした。
さらに、室内にミニキッチンが付いていたり、照明が丸形になっていたりなど、使い勝手がよく優しい空間になっている。これらは職員からの要望だ。
「実際に使用されるのは現場の方々ですから、『保育士さんの要望を聞いてください』と、こちらから園長先生にお願いしたんですよ」と担当者は言う。
「業者さんと保育士とが互いに話し合って、満足できる職場になりました。保護者の皆さんから『よかったね』という言葉を聞くたびに喜んでおります」と、園長。
温かい気持ちが集まった今回の増築で、子どもたちや保育士さん、また地域の人々にとっても、伸び伸びと心地よく過ごせる保育園となった。
拡張した乳児室は、床暖房で冬でも暖かい。
台形の会議室は、開き窓と半円の窓がやさしい印象。
会議室前の玄関部分も新しいフローリングになった。
玄関から見る会議室入り口。
[今月のオーナー訪問]
〈空間の不足をようやく解消
〉
保育園では、園児一人当たりの面積の最低基準が決められております。乳児は途中入所が多く、人数もその年によってばらつきがあります。それで、スペースの確保に苦労していたんです。どうしたらいいかと検討しておりまして、それなら増築しようかという話になりました。
入札で松島工業さんにお願いすることになったんですが、松島さんなら昔からよく知っているし、地域に密着した業者さんですからよかったと思います。
松島さんには、会議室が四角い建物だったのを「それだと景観も悪いですから」と、角を取ることや、会議室のドアも「シンプルなのがいいですよ」と、いろいろ提案してもらいました。
〈
地域に開かれた保育園として〉
今回の改築は、保育士にも大変好評で、保護者の皆さんも自分のお子さんがきれいな保育園に行ってることをうれしく思っておられるのではないでしょうか。
会議室も、こういう部屋があれば、会合などで地域の方に使っていただけるのではないかと思って造ったんです。
これからも「地域に開かれた保育園」として、保護者の皆さんと一緒に歩いていこうと思っております。(園長談)
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[今月の特集は]
松島工業株式会社が行った保育園のリフォームを紹介しました。
社会的に少子化が進み、園児の数が減少する一方、新興住宅地の近くということで拡張が必要となったケースです。
保育のための空間は、園児たちにやさしく、快適な空間であり、保育士さんたちにとっては働きやすい空間であることが大切です。現場の意見を取り入れ、形に工夫をこらしたことで、全体にまとまりのある増改築となりました。
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Vol.02
[特集]地域に開かれた保育園
[TOPICS]ゆったりくつろぐお風呂
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